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夢をかなえるゾウ1 「変わる」って大変

  • 書籍データ
    • タイトル 夢をかなえるゾウ1
    • 著者 水野敬也
    • 発行 (株)文響社
    • 2020年7月14日 第1刷発行
    • 2022年6月9日 第11刷発行
目次

こっちが最初 ガネーシャの教え

「変わりたい」のに変われない 

ガネーシャに出会った時の「僕」は、会社の先輩に誘われて華やかな実業家の誕生バーティーに潜り込み、あまりにも違う世界を見て、かえってみじめな自分を思い知らされ、帰宅して酔い潰れ、インド旅行の時に買ってきたガネーシャの置物を相手にくだを巻いてしまいます。

おい! ガネーシャ!お前神様なんだろ!、なんとかしろよ。今の俺のこんな感じ、なんとかできるだろお前だったら!おい、コラ!

本文 p14

目が覚めるとそこに置物ではないガネーシャが、なぜか大阪弁で(インドの神様なのに)変わりたいのか変わりたくないのかと問い詰めてきます。今まで何度も変わりたいと思いながら変われないまま、いつの間にか「どうせ変われない」と自信を失っていた僕は、それでも「変われるものなら変わりたい」と願います。

結局ガネーシャの教えをやると決めた僕ですが、最初の課題「靴を磨く」をしてみて「こんなことで本当に変われるのだろうか?」と疑問を持ち、もっと簡単な秘訣を教えてほしいと訴えます。するとガネーシャは、こういうの?という感じで話して本棚から一冊の本を取り出します。自分で買って付箋までつけておいたところをガネーシャがそのまま読み上げただけでした。

『秘訣』を知りたい、いうことは、ようするに『楽』したいわけやん?」

「それは『楽』して人生変えたり、『楽』して成功したりしたいちゅう『甘え』の裏返しやん?」

p42

この言葉ドキッとしますよね。知識としていくら吸収しても、楽したいという気持ちが行動を抑えてしまっていることに、自分自身が気が付いていないんですね。そして「お金持ち」になるには「寄付」が必要だと説きます。

ええか?お金言うんはな、人を喜ばせて、幸せにした分だけもらうもんや。せやからお金持ちに『なる』んは、みんなをめっちゃ喜ばせたいて思てるやつやねん。でも、お金持ちに『なりたい』やつは、やれ車が欲しいやの、うまいもんだ食いたいやの、自分を喜ばせることばっかり考えとるやつやろ。

p45-46

世の中の人を喜ばせたいちゅう気持ちを素直に大きくしていくことが大事やねん。そやから寄付すんねん。自分はとにかく人を喜ばせたいし、助けたい、そういう人間になることや

p46

ここも深いですね。「喜ばせた分だけもらうのがお金」という概念、学校で教えてほしかったですよね、どんな道徳の教科書より役に立つ気がしますから。ということは…転じれば、喜ばせてもらった場合、ちゃんとその対価を支払うのが礼儀でしょうね。お金が感謝の気持ちでやり取りされていけば、どんなにすてきなことなんでしょうね。

またビジネスとは人の欲を満たした対価をもらうことという話のところでは、

人はな、わざわざ『〇〇が欲しい』なんて教えてくれへんのや。人が何を欲しがっているかをこっちが考えて、予想して、提案していかなあかんのや。人の欲満たす、いうんはそれぐらい難しいことなんやで。

p64

このとてもいい言葉が出てくる場面は、なんとガネーシャが朝食の目玉焼きにベーコンかついていなかったことを恨んで、くどくどと愚痴を言っている場面なんですからね。で、この神様、ある日帰宅が遅い僕をベッドに縛り付けて、僕に変身して会社に行ってしまいました。でも…そこではかなりショックなことがあったらしくて、帰って来て怒り狂った挙句押し入れにこもってしまいます。翌日おそるおそる会社に行った僕は、ガネーシャのしでかしたことの後始末に追われるのですが…ガネーシャは大好物の「あんみつ」で少し機嫌がなおります。そして僕に今までの振り返りを聞いてきます。

頑張ることは苦しいこと?楽しいこと?

ええか?こうやって自分が頑張れてるの確認するんはめっちゃ大事なことなんやで。それ、なんでか分かる?

それは…自分を盛り上げるためですか?

まあそれもそうやけど、もっともっと大事なことがあんねん。それはな、『成長したり頑張ることは楽しい』て自分に教えていくためやねん。頑張らなあかん、頑張って成長せなあかんてどれだけ思ってもなかなか頑張れんのが人間やろ

p111

どうして頑張ることがなかなかできないのかその答えがここで提示されます。それは「楽しくないから」。…私なんかは特に「頑張り」が苦手なタイプなのでこの考えかたは、目からうろこでした。

意識を変えるが続かないわけは?

あ、これ覚えときや。楽なもんで体にええもんはほとんどないで。筋肉も、筋肉痛になって初めて成長するやろ。脳みそもいっしょやで。楽なことばっかしてたらどんどんふやけていって使い物にならんようになるで

p126

これまたなるほどね~ですね。人は楽なほうに流れますからね。この本では何度も「楽」なことを戒める言葉が出てきている気がします。そして決心してはそれが続かない僕のことを指摘したガネーシャは、

人が変わろうて思ても変わられへん大きな原因は、このことを理解していないからや。ええか?『人間は意識を変えることはできない』んやで

みんな今日から頑張って変わろう思うねん。でも、どれだけ意識を変えよう思ても、変えられへんねん。人間の意志なんてめっちゃ弱いねん

それでも、みんな『意識を変えよう』とするやん?それなんでかわかるか?

『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。だってそん時は想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方を変えたら『逃げ』やねん

それはある意味、自分に『期待』してるんや

p128-129

なんとも深いですね。どんな自己啓発本も、まずは「意識を変えよう」というのが多いですが、それを「逃げ」と言い切るところ、大阪弁でやわらかくしているから諭されている感じですが、かなりきつい言葉ですよね。つまりはそれは「自己満足」に過ぎないって。

そのほかにも行列のお店での待ち方とか、周りを変えるのではなく自分を変えるとか、仕事についての考え方なんかも出てきて、目からうろこの話が続いていくのですが、まあガネーシャのわがままの強烈さが、小説としてもとても楽しいものになっていますね。読んで楽しい自己啓発本ってところですね。

そしてやはりここでも別れの時間が来てしまいます。今回のガネーシャは日増しに姿が透明になっていくんですが…なぜかあんみつは食べてもカレーは食べない(しかもガネーシャが自分で作ったカレー)とか言いながらも、できるだけの課題を出そうとしてくれます。僕も一つでも多くの課題をこなそうとしていくので、最後の方のスピード感もあります。

今回のガネーシャの教え

  • ガネーシャの教え
    • 靴をみがく
    • コンビニでお釣りを募金する
    • 食事を腹八分目におさえる
    • 人が欲しがっているものを先取りする
    • 会った人を笑わせる
    • トイレ掃除をする
    • まっすぐ帰宅する
    • その日頑張れた自分をホメる
    • 一日何かをやめてみる
    • 決めたことを続けるための環境を作る
    • 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
    • 自分が一番得意なことを人に聞く
    • 自分が苦手なことを人に聞く
    • 夢を美しく想像する
    • 運が良いと口に出して言う
    • ただでもらう
    • 明日の準備をする
    • 身近にいる一番大事な人を喜ばせる
    • 誰か一人のいいところを見つけてホメる
    • 人の長所を盗む
    • 求人情報を見る
    • お参りに行く
    • 人気店に入り、人気の理由を観察する
    • プレゼントをして驚かせる

赤 苦手なこと 緑 いままでもやってきたかな? 青 頑張りたいこと

なんかね、自分のいいところとか人のいいところとか聞いたり見つけたりって、できそうでできないかもしれないです。運がいいって口にするようになったのは、実は病気が見つかってからの方が多いんですね。しかも思い込もうとするんじゃなくて、ほんとに運がいいと思ってるんですよ。

私の場合乳がんでステージ4、見つかった時には骨にもリンパにも肝臓にも飛んでて、5年生きるのは無理かな?と思っていたのに、5年クリアできちゃいましたからね。もちろん治療はとても大変でしたし、今もこれからも続くんですけど(正直もし「完解」できたらものすごく運がいいんだと思います)、周りの人たちの努力と協力、実際に感じたし感謝の気持ちでいっぱいです。自分だけの力では絶対無理だったと思うので…樹木希林さんの言葉に「生きてるだけでまるもうけ」というのがありましたが、生きてるだけでも十分運がいいと思っていますから。

だから周りの人の役に立ちたいとか、喜ばせたいという気持ちだけはあるんですが…なかなか実行に移せないので、これからの目標ですかね?

ガネーシャ 最後の課題

ガネーシャがちょっとずつ透けるようになって、別れの時間が近づいてきます。それでガネーシャはここから「最後の課題」を出すことになります。時間が限られているせいで、僕も一つでも多く課題をこなしたいという意欲も持つようになります。

本書の使い方 ~最後の課題~

これからガネーシャの「最後の課題」が出されます。ガネーシャはあなたが成長し、成功するために最も重要な課題を用意しています。さて、それでは最後の課題に進む前に、あなたに一つ質問があります。

「あなたは、これまでの『ガネーシャの教え』を実行に移したでしょうか?」

もしかしたら、課題を実行せずに、ここまで一気に読んでしまった人もいるかもしれません。もちろん、本の読み方は、あなたの自由です。しかし、ここでもう一度、ガネーシャの言葉を思い出していただきたいのです。ガネーシャは、こう言いました。

「自分の教えなど過去の成功書に書いてある」

人間の長い歴史において、どうすれば人が成功するか、そのことはもう解明されているのです。それでも世の中にはいまだ成功法則書があふれ、それを読んだ人に「成功するのではないか」という期待を与え続けています。しかし、そうした人たちのほとんどが成功していくことはありません。なぜでしょう?

それは、何もしないからです。実行に移さないからです。経験に向かわないからです。

もし、あなたが何かを実行に移すのなら、昨日までとは違う何かを今日行うのなら、仮にその方法がまちがっていたとしても、それは偉大な一歩です。

「人生を変える」「夢を持って情熱的に生きる」そんな生き方に対して冷ややかな視線を送る人が多い時代だとガネーシャは考えています。

でも、みんなと一緒にいるときは冷めているように装ってはいても、一人になった時は、夢を持って生きたい、夢を現実にしたい、輝いて生きたい、そう考えている人が多いこともガネーシャは知っています。

だからガネーシャは悩んでいるのです。ガネーシャの教えにはあなたを変えるだけの力がない。なぜなら、あなたが変わるにはあなたの決断とあなたの行動が必要だからです。本当に必要なのはガネーシャの教えではなく、あなた自身の行動であることをガネーシャは知っています。

だからガネーシャはこう考えます。今から出す課題を必ず実行して欲しい。あなたの人生を本当に充実したものにするために、ガネーシャは願っています。

「ガネーシャの願い」

最後の課題を必ず実行に移すこと

p288-291

そして最後の課題を出すときにガネーシャが僕に聞きます。

自分の「やりたいこと」って何や?

もうこれだけは絶対に死ぬまでやらなあかん。自分はそれをやるために生まれてきたんやて心から思えること。それは何なんや?

p293

その問いに、まだ見つかっていないと答える僕に、そのままでは一生見つからないというガネーシャ。一番ダメな方法だからというのですが、それは…

やりたいこと見つけるために一番やったらあかん方法、それはな……『考える』ことや。机に向かってうんうん唸っとったり、自分のやりたいことってなんやろうて漠然と考えたりしとったら、何も分からん。分らんどころか余計迷うことになるで

p295

そして…ガネーシャが出した答えは「体感」すること。その方法については本書に譲りますね。でもこの課題を一つずつクリアすることで見えてくるものがありそうです。

  • ガネーシャ 最後の課題
    • やらずに後悔していることを今日から始める
    • サービスとして夢を語る
    • 人の成功をサポートする
    • 応募する
    • 毎日感謝する

まさに「行動」がすべてを決めるんですね。後でやろうとか、できない理由を考える前にまずは動く。これ、私が特に苦手とすることみたいです。ものすごく自分でも思い当ってはいたんですが…この前ストレングスファインダーをやってみたら、見事に「実行力」に関する強みがなかったんです。強みを強化するのが本来は近道のようですが…どうやら苦手克服が私の課題のようです。

「楽」なことに逃げずに頑張ることにします。

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