この本の帯には「人生でもっとも破壊的な単語は『あとで』である」と書かれています。
考えてみると私はずいぶん「あとで」という言葉を使ってきていたので、とてもドキリとしました。ただそれは自分の性格のせいだと思っていましたが、この本では心理学教授である著者イ・ミンギュ氏が、それを克服する方法は「技術」であると提言しています。そして一つでもいいから、小さなことから「実践」することが大事だと書かれています。「あとで」が常習化してしまって性格だと思っている方に一度読んでいただきたい本です。今回はできるだけポイントを絞って記事にしてみます。実例や細かな解説は本書でご確認いただければと思います。丁寧に読むことで技術が身につくのではないかと思いました。私のように「あとでいいや」と思ってしまう方は一読、いえ、どれか一つを実践してみることをお勧めします。
- 書籍データ
- タイトル 「後回しにしない技術」
- 著者 イ・ミンギュ
- 翻訳 吉川南
- 出版社 文響社
- 第1刷発行 2021年1月19日
- 第8刷発行 2022年10月28日
すぐに行動に移す人 先延ばしにする人
大きな成功を納める人の特徴は「他人が頭だけで考えていることを行動に移し、実行した」人であると言います。そして成果とは「力量(才能、知識、アイディアなど)×実行力」であり、実行力が0なら、成果もまた0になってしまう、そして「実行力」とは資質ではなくあくまでも「技術」だと言い切ります。
- ポイント
- 実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すればがれでも開発できる、一種の技術だ。
- 平凡な人と成功した人の違いは、知識ではなく実践
- 成功した企業とそうではない企業の違いは、戦略ではなく実行力にある
いつまでたっても行動に移せないのは、意志の問題ではなく、まだ効果的な方法を学んでいないからだ。ピアノが弾けなかったり、車の運転が出来なかったりするのは、学んで練習していないからだ。
幸いなことは、実行力もピアノの演奏や車の運転のように、一種の技術だという点だ。だから実行力が足りなければ、実践のノウハウを学んで、練習すればいい。
P6-7
この言葉、正直ほっとしました。確かにピアノも運転も先生に習う技術ですよね。それなら先延ばし常習犯の私でもできるかもしれないと思えました。さてその技術ってどんなの?
- その前に著者からのお願い
- 受動的な態度ではなく、能動的な姿勢で読んでほしい。
- 内容をただ「読む」のではなく、折々に次のことを問いかけてほしい
- 質問を投げかけてこそ、答えを見つけることができ、優れた質問をしてこそ、優れた答えを得ることが出来る。質問は常に答えより重要なのである。
- 必ずペンを手にもって読んでほしい。自分の書き込みを中心に見直して、夜12時までにひとつ実行に移そう。
実行は、自己の才能に対する自信を育ててくれるもっとも効果的な方法であり、望むものを手に入れる唯一の手段だ。読者の皆さんが本書を通じて「今いる場所」から「望みの場所」へと渡る橋を架けられることを、心から願っている。
P11
やはりここでも「実行力」が決め手なんですね。私のストレングスファインダー、実行力の部分がほとんど下位なんですよね。最高でも「アレンジ」が9位。考えることは得意なのに実行に移せない人。やはりここはちゃんと「技術」を身に着けるしかなさそうです。
第1章 決心する
まずは決心することから始まります。そのときの注意事項がこの章には書かれています。
「成功」のイメージに逃げ込んではならない
目標をイメージするだけではなぜ失敗するのか?
よくイメージトレーニングとして「成功した姿をイメージする」ということを耳にしますが、それは正しいけれど、それだけでは成功に至らないと著者は言います。イメージを実現するには前提条件があり、それは「成功への道を探し出すこと」が必要だというのです。
考えてみればどこかに旅をするときに「京都に行きたい」というだけでは目的地にたどり着けないですよね。たとえば「京都に行く」ためには新幹線で行くのかバスで行くのか飛行機で行くのか、新幹線で行くならどの駅で何時の新幹線に乗って、どこで乗り換えて、何時に着いて、宿泊先はどこで…まで考えるというルート作成の手順が必要なわけで、思いきり「なるほど人生設計も目標設定も肝心なのはそこなのね」と思いました。もちろん最初に「京都に行く」がなければプロセスも決まりませんが…
そしてまたバラ色の楽観的なことばかりではなく、問題が起きることもあらかじめ考えておく思考が必要だということです。例えば台風が来て電車が止まったら?待ち時間が長くなって次の予定に間に合わないときは?など、あらかじめ考えておくだけでも結果は全く違うのは、多くの人が経験していることだと思います。
確かに「念ずれば通じる」という言葉もあるように、強い願いはとても大きなエネルギーになりますね。でも「方向性」を間違っていては意味がないということですね。方向性とは目的地に確実に向かう道を歩いているかどうか、その道を見つけられているかどうか、それが大事だということです。方向性のお話、最近私もよく耳にします。
人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化」(Outcome-oriented Visualization)よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ
p29
成功のコツは他の人の「方法」をまねること
昔から絵でも音楽でも仕事でも、上手な人のやり方を真似て伸びるというのはよく言われることですよね。思えば私も昔、画像加工を始めたばかりのころ、好きな画像の配置とか色合いとかマネして何度もトライしていたのを思い出します。そっくり同じものではなく、自分が使いたい元画像を使って、どうやったらバランスよくできるかとか、きれいに透過するにはどのぐらい薄めればいいのかとか…
そして気が付いたら私にやり方を聞いてきた友人がいました。もちろん喜んで教えましたし、今では二人とも画像はやめてしまったのですが、聞いてくれた友人とは今も仲の良い友達です。真似なくても一歩でも先行く人にやり方を聞くのもいいかもしれません。ほかの人のやり方を聞く、思い返せば実践していたときもあるんだな~なんて思いました。あの時の気持ちを思い出して、また何かを始めたいですね。
かゆくない方の足をかいていないか
関係のないことにエネルギーを浪費していないか
韓国のことわざでは的外れなことをすることを、「かゆくない方の足をかく」というそうですね。私もこれ聞いたことがあります。(韓国ドラマ大好きなので)
すごく一生懸命やっているのに成果が出ない場合、かなりの人がこれをしているようです。思い返せば私も結構これやってたかもしれません。その時は一生懸命になっているため、かなりの視野狭窄で、今自分がどの道を走っているのかも把握していなかった、ってことありましたね。ある程度仕事に慣れて余裕が出来て初めて見えてきていたような気がします。行先と全く関係ないことにガソリン使って高速道路を飛ばしてる?そんな感じで、これはまさに「方向性」の話ですね。
問題を正確に把握できていなければ、問題ではないことを解決するために、多くの時間とエネルギーを浪費することになる。
P39
問題が起きたときにまず原因を把握するのがとても大切ですね。これは私も心がけていました。原因をそっちのけにしてリカバリーだけを考えていると、結局はまた同じ問題が繰り返し発生してしまうものですね。
良い「問い」は良い「答え」に勝る
成功する人は、解決すべき問題胃が何かを正確に知るために十分な時間をかけるが、失敗する人は、問題を正確に把握するより前に、むやみに解決しようとしてあくせくする。
問題をしっかり把握するには、適切な問いを投げかけることが必要だ。
(中略)
問いが間違っていれば、求める答えは決して得られないのだ。
P41
確かに聞き方ってとても大切だと思います。それによって同じ人でも答えは全く違ってきますよね。あいまいな聞き方だとあいまいな答えが返ってくるし、的を絞った質問には的確な答えが返ってきます。今話題のチャットGTPについて、使えないという意見は多いそうですが、使い方を調べてみたら「聞き方」が重要だということです。
私も試しに「茄子のレシピ教えて」と聞いたら4つほど候補が出てきました。でもそのレシピでは材料が足りないので「炒め物でなにかある?」と聞いたら、全く別の野菜のレシピが戻ってきました。それで「ごめん、茄子の炒め物が知りたい」と返したら「間違えて申し訳ありません」の言葉の後、茄子の炒め物のレシピがいくつか書かれていました。
これって思いきり「聞き方」のレッスンになるんだなぁと、これからもちっょと質問の練習に使いたくなりましたよ。聞き方のスキルは高いほうがいいですからね。
本文には問題解決のステップも詳しく書かれています。
スケジュールは逆から立てなさい
最終目標が「いまやるべきこと」を決める
- スケジューリングの方法
- 順行スケジューリング…現在を起点に計算して目標達成の時期を推定する
- 逆算スケジューリング…未来を起点にして今すぐやるべきことを選択する
著者のおすすめは「逆算」とのことです。
実行力を高める「逆算スケジューリング」のやり方
現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられる。また、重要なことより急ぎの用を選ぶ可能性が高くなる。しかし、目標の達成を基準にして逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まる。誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のないことを退けるのも容易になる。当然、ストレスも減る。
P51
これは目からうろこ、まさに逆転の発想ですね。ほとんどの人は今を起点にスケジュールしますよね。でも考えてみれば受験生時代(私はさぼり魔でしたが)は、大体の人がまず受験日を基準にスケジュールを立てて、いつまでに何をするかを考えていたような気がします。社会人になって、細かい締め切りに追われてしまい、それを忘れてしまっていたみたいですね。そして締め切りぎりぎりにならないと手を付けない悪循環がうまれてしまうんですね。言われてみれば納得です。
- <逆算スケジューリングの3つのステップ>
- ステップ1:まず、達成したい目標と最終的な期限をはっきりと定める。
- ステップ2:目標を達成するプロセスにおける小目標と期限を定める。
- ステップ3:目標に関係する最初の仕事を選んで、ただちに実践に移す。
これだけ見るとなかなか理解できない部分もあるんですが、本文では実例も共に書かれていて、著者は健康管理や人間関係にも応用できると解説しています。これはファイナンシャルプランナーが使う「ライフプランニング」に通じるものがあるような気がします。(一応FP勉強中なので)
決心する その他の項目
そのほか下記の項目がありました。どれも納得の内容ですがここでは簡単に拾っておきますね。
「プランB」があなたを救う
失敗した人たちは何も考えずに実行に移して、予想もしなかったことで挫折する。だが、成功した人たちは、起こりうる突発事態を予測してそれに備え、常により多くのものを手に入れる。
(中略)
このような突発事態への備えが不可欠だが、これをバックアップ・プラン、あるいは「プランB」という。
P64-65
これはIT関連のお仕事をしている人や、ITスキルの高い方なら自明の理ですね。バックアップの大切さ身に染みてらっしゃるかと思います。プランBを前もって考えておくことによって、事態の修復が容易になるものです。私も「プランB」に助けられたことは何度かあります。
「ひそかな誓い」はかなわない
決心をしたならそれをいろんなところでできるだけたくさんの人に公言しなさいと言うことです。心の中で誓っただけではなかなか願いはかなわないと。なぜなら人は一度公言したことはなかなか変えられないからですね。言うことをころころ変えてしまうと「一貫性のない人」と思われてしまうし、「信用できない人」と思われてしまうから。ここもなるほどでした。
変われないのは望んでいないから
「変わりたい」と口では言ってもなかなか変われないのは、それが「切実な願い」ではないからとのことです。今が耐えられない程苦痛ではないから、現状の方が変わるより楽だからということですね。自分に照らし合わせると、ちょっと耳が痛いかもしれないです。
諦める前にその目標が生み出す「派生効果」を考えることが乗り越えるための原動力の一つだとも書かれています。
何かを望みながらもうまく実行できないでいる人たちには、数千通りの「実行できない理由」がある。だが、彼らに必要なことは、「それを実行すべきただひとつの切実な理由」だ。
p99
第2章 実行する
ベストタイミングは常に「いま」だ
これはもう林修先生の言葉でも有名ですね。「今でしょ」って耳タコぐらいに聞く言葉ですが…やはり実際に実行に移すことはなかなかできないものですね。でも成功者は「スピーディーな反応」が別格とのことです。
どうせしなくてはいけないことなら、即断即決で処理するのがよい。速度は自分を他の人達と差別化するもっとも効果的な手段であり、アドバンテージをとるためのもっとも確実な要因だ。
p108-109
ここでは「もっともよいアイデアは常に作業をする過程で出てくる」と書かれています。何かをとりあえず初めて、やりながら考えた方が絶対いいということですね。つまりトライアンドエラーを修正していくのが一番いい、やってみないと何もわからないということだと思います。言われてみればその通りですね。
将来、何かになりたければ、必ずいま何かをしなくてはならない。
アメリカの第26代大統領、セオドア・ルーズベルトはこう言った。
「いまいる場所で、持っているもので、できることをしよう!」
p117
確かに人はどうしても準備して条件を整えてから動こうとしますよね。でも、よく周りを見てみると、仕事の早い人は走りながら考えるタイプが多いような気がします。
「ふたつの締め切り」をつくりなさい
ふたつの締め切り?ってところで最初つまずきました。締め切りってそもそもデッドラインのことなんじゃ?と。でもここでは「開始デッドライン」と「終了デッドライン」があって、開始デッドラインの方がはるかに大切だと解説されています。私が思っていたのはもちろん大切じゃない方、つまり終了デッドラインの方でしたけどね。
つまり普通「10日までに」と言われると、つい「それまでに終わればいいや」と思ってなかなか始められない人が多いんですね、もちろんこの私もです。でも結局ほかのタスクが入り込んでお尻に火がついて初めて動き出すから、締め切りに間に合わないか、完成度の低いところで終了するしかないんですね。だから「開始デッドライン」が必要なんですって。確かに言われてみればそうなんですよね。それを意識するだけで仕事の仕方は変わると思いました。できれば数年前までの締め切りだらけの仕事の時に知りたかったです。
時間がないから成果を上げられないのではなく、時間がありすぎるから成果を出せないことの方がずっと多いのだ。
p146
うわ!これって逆説的ですけど、聞いてみれば真実かも…そしてここではさらに「中間デッドライン」も出てきます。
頼んだ人だけが助けてもらえる
「挫折して絶望している人は他人にうまくものを頼めない」ということです。要は人は一人では生きていけない、他人の力を借り他人に力を貸すからこそ人生が豊かになれるということのようです。特に変なプライドや思い込みがあると、結局は自分を苦しめることになるようですね。さまざまな事件を見聞きすると世間との断絶が悲劇を引き起こすのを目の当たりにすることがあります。誰かに「助けて」と言うだけで、直接助けることは出来なくても、助言や励ましをもらえることはとても多いですよね。私は実家の母が一人暮らしをしていた時にそのご近所さんにたくさんお世話になりました。母の属していたコミュニティがいつも見守っていてくれて、何かあればすぐに連絡をもらうことが出来ました。
- 知らないのに教えてくれと頼めず、助けが必要なのに助、けを求められない理由
- 知らないというとバカにされるかもしれないと思う(特に男性)
- 断られるかもしれないと思う
- 自分の人生の主導権を握る人は頼み事などしないと思う
「わからない」と言える人は愛される」とも書かれています。教えてほしいとかちょっと手伝ってほしいとか、素直に口にすることで、「人の役に立ちたい」と思っている人の助けをもらうことが出来るんですね。具体的に言わなければ何をしていいかわからないから、黙っていては助けてはもらえないわけですね。私も職場で病気になった時に周りに公言することで、ほんとにいろいろと助けてもらって、そのおかげで通常の仕事に戻ることが出来ました。もちろん中にはそんな職場ばかりではないし、極めつけは家族にさえ自分の病気を隠して働いているという人もいるとか。それがどれだけ大変なことか、想像するだけでせつなくなりますが…もちろんこちら側に「感謝」の気持ちを伝えるということを忘れてはいけないんですけどね。
仕事を教えるときにこんな経験をしたことがあります。人の話を聞くときに自分が知っていることでも最後まで聞く人、そこにはちゃんと理由があって、自分のやり方が間違いないかどうか確認できるから、新しいことがあるかもしれないからと言うんですけど、こういう人は伸びますね。そして途中で「あ、それは分かってます」「前に(ほかの人に)聞きました」と言う人は、目の前で間違ったことを平然と繰り返していたりしますから、知ったかぶりはダメなんだなと実感しましたけど、実際にできる人ほど耳を傾けるし、疑問点はその場で質問するものですね。
人生で近道を探すもっとも確実な方法は、先を歩いている人に道を尋ねることである。
p171
実行する その他の項目
最初の1%の行動に全力を注げ
まず小さなところから始めること。いったん始めれば先に進むことができる。長続きを望むなら欲張らないで、簡単なことから取り掛かること。目標が高すぎると挫折してしまうから。1ページではなく1行を読む感じで。
人生は「実験」の連続だ
実験だと思えば失敗もあたりまえ。やらなくては失敗はあり得ないし、失敗は別の意味の「成功体験である、とエジソンを例にして書かれています。発明はたくさんの失敗の上に成功するものですからね。
見られていないと人は動かない
誰かに見られていると行動が変わる。変わるためには自分を観察し記録するといい。
大事な仕事の前に雑用をやりたくなる理由
やりたくない仕事から逃げるために、どうでもいいことをしてしまう。例えば勉強するためにと言う理由で机の片付けとかをするのは、ストレスから逃げるため。そうしないための具体的なステップが書かれています。
第3章 維持する
人はセルフイメージ通りの人間になる
人間の考えは行動を決定し、人間の行動は運命を決定する。
p214
自分が「こういう人」だと思っていると必然的にそういう人になるということなんですね。そしてこの本では自分を狭く決めつけないことと書いてあります。大きくイメージしたら大きな人間になるからと。自分を決めつけることによって、行動もその範囲内に収まってしまうんですね。確かに言われてみれば怖いですね。できっこないと思っていたらできるはずがないんですね。成功する人は「必ずできる」と自分に言い聞かせていますよね、有名な選手やタレントのインタビューなどではほぼ出てくる言葉ですね。私も自分の自分に対するイメージ、ぜひ点検してみたいと思います、ちょっと怖いけど…
ある人があなたとどう接するかは、あなたが実際にどんな人間かということよりも、その人があなたをどう規定しているかに全面的にかかっている。同様に、あなたの態度や行動も、あなたがあなた自身をどう規定しているかによって決まる。
p221
「効率」と「効果」の違いを知る
一生懸命やりさえすれば、得られるものは多いはずというのは錯覚であると書かれています。
- 効率と効果の違い
- 効率:投資した努力と結果の比率 仕事の量と速さで測定される
- 効果:現実の成果や寄与度に直結する仕事をどれだけやったか
重要でないしごとをどれだけ頑張っても意味がないということですね。そして昨日と同じこと、人と同じことをやっていても変化は来ないと。自分では効果的な仕事をしているつもりでも、考えてみると常に問い続けないと普通のタスクに追い回されていたのかもしれないなと思います。そしてここでは、効果的な人ほど未来を考えて行動すると書かれています。
- 効果的な仕事を見極めるための「問い」
- 自分はいまどんな仕事をしているのか 効果的な人は何も考えずに仕事をすることはない
- 自分がしている仕事は成果や寄与度にどれほど直結しているだろうか? 多くの人は自分の仕事の結果を考えずに働いている
- 自分がしていることで、成果に結びつかない、あるいはかえって妨げになるのは何か? 効果的な人は常に長期的な視点で仕事を選ぶ
雨が降るまで雨ごいしよう
人は思い通りにならないとき、思いが通じないとき諦めてしまうものですが、「あと1回」頑張れば通じていたということも多いとのことです。つまり物事の「臨界点」を目の前にして諦めてしまう。だから多くの人が成功しないというのです。
失敗する人には共通点がある。世の中のすべての変化には臨界点があるという事実に思い当たらないという点だ。あきらめた瞬間、成功が目の前まで来ていた事実を見逃してしまうのだ。
p288
- 動かない相手を説得する3つのステップ
- ステップ1:相手の身になって考えよう まず与えるものを探してみよう
- ステップ2:臨界点を仮定するにしても、同じ方法を繰り返さないようにしよう
- ステップ3:大義名分と理由を提供しよう 人間は理由を求める存在だ。
つまり、相手が求めるものを考えて、ダメなことを繰り返しトライするのではなく、アプローチを変えて試して、相手が納得する理由を提供するということ、まさに有能なセールスマンのやり方ですね。そしてこれはとても汎用的なことなんですね。私はアピールが苦手なのでこの辺意識していきたいと思います
教えることは学ぶこと
誰かを助け、他人に教えるとき、自分自身に驚くべき変化が起こる。他人を助けながら、助けをもらい、誰かに教えながら、より多くのことを学ぶのだ。
p302-303
- 教える過程でノウハウをさらに多く身に着けるから 自分が知らないことを人に教えることはできない、自分を説得できない限り、他人を説得することもできない。
- 誰かに教えると、それに見合った自分のイメージをつくるから 自己イメージがかわれば、行動も当然変わる。
- 言葉と行動を一致させようとするから 本心からではなくても、いったん言葉を口にするとそれに見合った行動をとろうとする
これも本当にそう思います。一番勉強になるのは人に教えることなんですね。教えるためにちゃんと覚えるし、間違ったことは教えられないというふうに思います。よく「1日の長」という言葉が言われますけど、1日早く学んだ人はその分次の人に教えることが出来るという意味ですね。自分で知識を抱え込んでいても意味がないということですね。たまにいますね、仕事を取られないように人に教えない人、結局は自分の成長も止まっているということにさえ気が付かないんですけどね。自分が人に教えて、自分はまたその先を教わってステップアップしていけばいいだけなんです。
維持する その他の項目
人の頼みを断れないのはなぜか
相手に対する「配慮」ではなく、断る「勇気」が足りないから。周りが無礼だったり無理な要求をするのは自分自身にも問題がある場合が多いということですね。いやなら断る、そして断ることに罪の意識を持つ必要はない。あいまいな断り方が実は一番たちが悪いのは、結構周りに事例がごろごろありますね。言われた瞬間「すみません、他の予定があるので」でOKなんですよね。理由も言う必要はないし、その方法についても書かれています。
掃除をしたければ、家に友達を呼ぼう
自分の意志の力に頼っても片付かない。状況のコントロールが大事だということです。その「仕組み」を作ることでいやでもやることになるということですね。ここ実は私も苦手で片付け動画たくさん見てるのに…目の前は?今はコロナで人を呼ぶ状況じゃないですしね。いくら5類になるとはいえ…でも、人が来るなら確かに片付けると思います、経験上も。そして「背水の陣」の力はすさまじいとのことです。
いかなるときも目標から目をそらさない
障害物が目に入るのは目標からめをそらすから。望まないこと、避けたいことではなく、「望むこと」とそれを手に入れる方法を考えるべきだそうです。そして望むことにアンテナを張ると、必要なことが目に入ってくるんですね。そういえばあることに興味を持った時から、芋づる式にそれに関したことが目に入るようになった経験はいくつもありますね。ここでは目標からめをそらさない方法も書かれています。
まとめ 先延ばししないために
ここまで私がこの本で注目した部分について書いてきましたが、人によってはほかに興味がわいた項目もあると思います。そういう方は本書を読んで、そして一つずつ実践してみるといいと思います。
この本であまりほかで見ないのは、目標ではなくそれに至るプロセスが大事、そして締め切りはかならず開始デッドラインも設定するべきという部分だと思いました。まず小さなことからとにかく始めたら、あとは雪玉が転がるように動くというのも、納得できるお話でした。だいたいにおいて「始める」「即行動」が一番難しいし面倒なんですね。千里の道も一歩からという言葉もあります。始めなければどこにもたどり着けないという事実を肝に銘じて、まずはこのブログ、ちょっとずつでいいから書き溜めていきたいと思います。もう一つ押し活とともに始めてすでに15年以上続けた趣味の日記ブログがあります。更新は休みがちですが今でも細々と続けています。私の高校時代からの座右の銘は「継続は力なり」という言葉ですが、小中学生のときには「あきっぽい」と言われ続けた私も、この言葉のおかげで年とともに、一つずつ続けることが出来ているような気がします。
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