漫画家のくぼこまきさんと、エンジニアの理系夫さんとの日常の中で、「片付け」「お金」の問題を、家族で解決していくストーリーが、分かりやすくて楽しく読み切りました。(漫画ですが久しぶりに2冊一気読みした作品です)2冊一緒に紹介しますね。
「理系夫の整理収納術」でお片付けの考え方を見直しました
- タイトル:理系夫の整理収納術
- 作者:くぼこまき
- 初版:2021年9月15日
- 第四刷:2023年3月29日
- はちみつコミックエッセイ
- 発行:株式会社オーバーラップ
私の「お片付け」の遍歴
ご多聞にもれず、私も「お片付け」は悩みのたねの一つです。YouTube「週末ビフォーアフター」を見てからは、小さなところから一つずつ片付けて部分的にはスッキリした場所もあって、最近はメルカリで出品することも覚えたけど、それ以上のペースで増え続ける本や洋服や小物たち。
かと言って純子先生(週末ビフォーアフター)たちのように一気に全出しして仕組みを考えて使わないものは埋めて…とあのスッキリ感とスピード感にあこがれつつも、なかなか一歩が踏み出せませんでした
- 私がいままで片付けた場所、もの(基本2階が夫婦のスペース、1階共有部分以外が義母のスペース)
- 2階リビングの私のパーソナルスペースに棚を設置、床置きのもののほとんどを収納
- 私専用の靴箱(義父の仏壇を入れた時に玄関から遠い縁側に移動)の中の靴を数足処分。
- 2階の押し入れに入れっぱなし布団類を圧縮して(ほんとは捨てたい)、床に出ていたものとストック品を収納
- 台所の一番便利な場所にあった、ほとんど動かないグラス数十個と謎の品が(義母のものだけ)入ったローボードを奥に移動、私専用の食器、台所用品の入った棚をその後に設置
- 冷蔵庫の入れ替えに伴って、義両親が作った段ボールのつぎはぎで出来た棚を、スチール棚に入れかえ(段ボールには一部カビが生えていました)
- 同じく段ボールで仕切った流し台(下に調味料)、レンジ台の下(鍋)をプラスチック製の棚に入替。ついでに調味料と鍋も場所をチェンジ、いわゆる火のラインと水のラインを作りました。
- 流し台の引出しの仕切りがいつのものか分からないボール紙やお菓子のパックだったので、仕切りを購入して使わないものはパントリーの引出しに移動。
- 全く着ない服をゴミ袋3個分処分
- 不用品の一部をメルカリに出品 いまのところ2万円ほど売れました。
- まだ片付かない場所
- 2階の大量の本、CD、テレビを録画したDVD(すべて自分のもの)
- 2階の1部屋が物置状態 季節外の家電、壊れた家電、使っていない座卓
- 台所の義母の鍋(へこみ、こげ、とにかく重いのが何個も)、食器(かけたものくすんだもの)が一番いい場所を占拠中。パントリーには未使用の食器がびっしり。
- 空き瓶と空きパックが奥の廊下にいっぱい
- クローゼット1間分はまるっと夫のものなので手をつけない(洋服とプラモ)
- 今の悩み
- とにかく探し物が多い どこにしまったか覚えていない(つまり分類整理がにがて)
そんな時にふと目にしたこの本。エッセイ漫画家のこまきさんと、「掃除や料理は家電で解決できるけど、片付けは家電では解決できない」という考えのもとに、整理収納アドバイザー1級の資格まで取って「未来の家族のため」に頑張ってくれる理系夫さん。「まずは俯瞰して見る」から始める片付けのマインドが、私にとっては「目からうろこ」でした。
家族のために「整理収納アドバイザー」の資格まで取ってしまう理系夫さん
テトリスが大好きだったこまきさんは、自分としては「収納上手」だと思っていました。でも理系夫さんの分析では、どこもかしこも「隙間を埋めてものをしまう」ことでパンパン。出したものを戻せる余裕が全くなかったんですね。使う目的を考えずにとにかく入るところに詰め込む…実は私もこのタイプでした(同じくパズルも大好き)。
理系夫さんは「まずは目的を考えてみて」とこまきさんにアドバイスします。そして本棚、玄関、テーブル、台所、クローゼット、思い出の品と、一つ一つ散らかる理由と片付ける目的を共有しながら解決していく姿に、「私でもできるかも」という希望をもらいました。理系夫さんは決してダメ出しはせず、質問形式でこまきさんが答えにたどり着くように誘導してるんですね。そして全部やらなきゃとテンパるこまきさんに「ほんの少しでいいんだよ」と言ってくれるんですね。
「問題はそこ! 散らかっていることじゃなくて時間だよ」
散らかっていることにいつももやもやして、主婦として申し訳ないと夫さんにあやまるこまきさん。「散らかしてばかりでモノもすぐ失くすし時間ばっかり無駄にして…」と言うと、夫さんが「ちょっとタンマ。問題はそこ!散らかってることじゃなくて時間だよ」と時間の大切さ、それをスッキリさせることで得られるビジョンを語ります。そして「家事は主婦だけの仕事ではないよ。家族でよくしていこうよ」って…なんて理想的な夫さん。私の夫もかなりいい感じだけどさすがにこんなセリフは言ってくれませんし、アドバイザーの資格まではとてもとても。
「『片付ける』っていうのは元の場所にすぐ戻せるようにすること」と説明する夫さん。こまきさんは思わず「そ、そんなのあたりまえのことじゃん!」といいますが、冷静な夫さんが「でもできてないんでしょ」と追い打ち。そして「なんでできてないと思う?」と問いかけます。こまきさんは自分で答えを探しながら夫さんの指摘を素直に受け入れることになります。
問題を見つけて解決策を探って、そしてみんなで一緒に改善していく。仕事でつちかったプロセスを無駄なく発揮する夫さんのおかげで、家の中はどんどんきれいに、ストレスフリーになっていきます。
もともとこのご夫婦ではギクシャクしようもないほどの夫婦仲ですが、この作品からにじみ出るお互いへの優しさや感謝の気持ちが、読んでいてとても気持ちがいいんですね。よく家族の関係性や本人の精神状態が良くないと家の中は散らかっていくと言われますが、みんなで力を合わせてきれいにしていく過程は、片付け以外にも学ぶことが多かったです。
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「理系夫の家計大作戦」で家計管理を見直してみる
- タイトル:理系夫の家計大作戦
- 作者:くぼこまき
- 初版:2023年10月15日
- はちみつコミックエッセイ
- 発行:株式会社オーバーラップ
「家計管理」は今YouTubeの「リベ大」のメインテーマで、私も改めていろいろ見直しているところでした。この分野は以前から頑張ってきたつもりの私、家計簿は昔からつけていましたが、その煩雑さの割にほとんど効果がなかったです。それでも「つける」習慣だけはついた気はします。ただ我が家は子どももいないので、夫婦それぞれで担当を決め(家賃・光熱費関係は夫、食費については毎月決まった額を夫から預かり、残りは自分の給与の中でやり繰りというやり方で今まで来ました。途中アパートから夫の実家に入ったので家賃はなくなりましたけど。
私が今までやってきた家計管理
- 主な物
- 先取り預金(積立)
- 転職を機に3000円から財形貯蓄(途中ボーナス払いで3万円を追加)→今年解約ずみ
- 5000円から信金の積立(その後だんだん本数が増えました)→昨年解約ずみ
- 地銀で1万円ずつ自動振替の積立定期→解約ずみ
- 一時は積立のし過ぎで普通預金が借越ばかりでした。(今思えば金利が…でも思いきり積立体質になりました)
- 会社の組合の年金共済を5000円から始めて現在15000円とボーナス払い3万円。これは2年後一括受取の予定。
- 投資信託
- 20年前仕事で取引先の銀行で、積立の一つのつもりで投信を始めました。
- 途中一般NISAも始めました
- 途中リーマンショックの時もひたすらほったらかしでした。後で動きを見てびっくりしましたけど。
- 一昨年楽天証券に口座を開設したのを機に売却(時期が良かったのか運よくプラスで終わり)
- 家計簿
- 以前は手書きや、レシートを貼るだけの家計簿を購入して使用(集計が中途半端になりがち)
- 途中スマホアプリのzaimをスタートし、レシートを撮って楽になったな~と思っていました。
- 預金のある地銀からのおすすめで、マネーフォワードMEに乗り換えて口座連携。この便利さに脱帽。今ではクレジットカード、スーパーやカフェのプリベイトカード、ネットショップまで連携。
- かなり使いこんできましたが、まだまだ活用までは至らず。
- 銀行口座、クレジットカード
- メインバンク 地銀→楽天銀行 地銀は給与振込口座であと2年ほどで退職予定のため一部残し、ほとんどを楽天銀行に移管(年金振込口座は楽天にして、どちらも振替なしで済むようにしました。年金事務所ではネット予約とネット銀行のためかなり珍しがられました)
- 信用金庫、信用組合はすべて解約
- クレジット機能付きTカード→解約しモバイルのみに
- JRの大人の休日俱楽部ミドルのビューカードを解約(ここ5年ほど未使用だったため)
- 自分の管理の範囲内の固定費の見直し
- スマホをソフトバンクからその系列のラインモに変更(通信費は3分の1ほどに)
- サブスクの見直し。ロードサービス、配信サービスなどを解約
- 先取り預金(積立)
リベ大の両学長はライブで「特に子供のいる家庭で、夫婦別々の家計管理はなりたたないで」「別々に管理しても大丈夫なのは子どもがいない共働きだけだよ」とお話するのですが、我が家はたまたま後の方なので別管理でもなんとかなっています。(ただし、我が家は将来のライフプラン表は共有して作成済みです)
こまき家の場合はまずお互いの口座の把握から 「夫婦はワンチーム」
さてこのこまきさんのお宅では、結婚してすぐ理系夫さんが自分の通帳や給与明細をこまきさんに見せて、一緒に家計管理していこうねと言います。今までお金の話なんて…と思っていたこまきさんはびっくりしますが、理系夫さんはあたりまえのように「今後一緒に人生を歩んでいくわけだから、お金のことは見える化しておきたい」と、そしてお互いの口座は見るけど収入以上には使わない、高額の場合は後からでもいいから相談してくれたら嬉しい、ぐらいのスタンスでいいというんですね。
家計簿をつける目的は?理系夫さんは「その先にあるもの」を説明してくれます。なぜ家計簿をつけるのか、なぜ家計管理が必要なのか。ともすると「家計管理」が目的化してしまいがちですが、本当の目的を考えることで手段と目的の主客転倒を免れることが出来るんですね。そこを意識してからは二人の口座は増えることになりました。
そしてこまきさんたちは「マネーフォワードME」という家計簿をつけ始めます。自動化で家計を「見える化」して「全体像を把握する」ことが日常化します。私も数年間このマネーフォワードMEを使っていますが、ほんとに優れものです。スマホやパソコンで自分の収支が把握できるし、ほとんどは自動でデータが取れます。現金払いの部分と一部連携できないものだけはどうしても手入力になりますが、レシートを撮影すればOK!のケースが多いです。なおさらキャッシュレス化も進みます。
エンディングノートと人生シート(ライフプラン表)人生の計画はお金の計画
結婚して間もない頃夫さんが何かを書いているので、こまきさんは「何してるの?」と聞きます。返ってきた言葉は「エンディングノート」。「えっまだ20代なのに終活?」と不審がるこまきさんに、もしものことがあった時に家族が困らないために、そして一度人生を俯瞰して考えてみたかったという夫さん。この夫さん、ほんとに「俯瞰して見る」ことが身についていますね、特に学びたい部分です。
そして何歳にどういうイベントがあってお金がいくらかかるのか、貯めるとしたらいつがいいのか、つまり「人生シート」(FPではライフプラン表と呼びます)を家族で作って共有することの大切さも書かれています。
我が家の場合定年の少し前、夫婦で今ある資産を持ち寄り(それまではお互いバラバラに管理)、いつまで働いて、年金がいつからいくらもらえてという話をおそらく初めてして、雑誌を見ながらライフプラン表を記入してみました。幸いにお互い借金体質でも浪費体質でもなく、なんとか老後の目途は立ったのですが、一番心配なのが私の医療費でしたけどね。
家族の「未来」と「時間」にこそ思い切って投資
ある日こまきさんは夫さんの母(つまり姑)と一緒に出掛けます。二人でお茶を飲みながら何気なく「なにもすることないから、専業主婦をとりあえずやってみようかなって」と口にすると、お姑さんは「それは違う」といいます。専業主婦ほど大変でしかも報酬がない仕事なんてないと力説します。そして「私はこの歳になってもまだ働いているから、自分の自由になるお金もあるし生きがいでもある」「やりたいことをやるにはお金が必要だし、何より自分の稼ぎがあったら誰にも何も遠慮なんかする必要ないのよ」と。「自由のためにはお金が必要」という、これはまさに私も実感していることではあります。
そして時間は限られているから、やりたいことがあれば応援するからと力強い言葉もかけてくれるんですね。この母にしてあの息子ありですね。夫さんはwebの勉強がしてみたいというこまきさんに、ちゃんと勉強してみたらと学校に行くことの背中を押してくれて、こまきさんは学校に通うことになります。そしてこまきさんはその後12年間web制作の仕事をすることになり、見事に投資を回収したんですね。バイトするより学校で学ぶ、それは浪費ではなく投資だという夫さん、これこそ「自己投資」ですね。未来のためにお金を出す、使うことも大切なんです。
ここから「家計管理」のお話が本格化
この先はまだまだ続きますが、家計管理が本格化します。ここでは箇条書きで書いておきますが、それぞれの項目がまんがでとても分かりやすく書かれています。
- 家族の時間を生むために、合理化できるものはする。時間に対する投資
- 食器洗い機を買う
- ドラム式洗濯機を買う
- ヘルシオを買う
- ホットクックを買う
- 細かい節約より固定費を見直した方が効率がいいし確実
- 電気代
- 通信費
- 保険
- 嗜好品・ラテマネー
- 車
- 保険加入の前に
- その時の生活に合わせて考える
- 定期的にチェックが必要
- 国の保険だけでも十分(高額療養費の額を払えない場合は民間)
- 貯蓄型保険は貯金ではない
- 長期契約すると見直しが大変
- お金の価値が変わるかもしれない
- 本当に必要な分だけ加入
- 投資のイメージをアップデートしよう
- 銀行預金 増えないというリスク
- 長期運用分散投資 株式・投資信託・国債
- 未来の家族を助けるNISA・iDeCo
- NISAの認知率は8割、実際にやっているのは15%
- やるまでの面倒の壁が高すぎる
- 面倒の扉を開かないと与えられないものが結構ある
- ふるさと納税・株主優待の賢い活用法
- ふるさと納税 節税というよりはおまけが魅力
- 株主優待で食事券 外食が貯金を崩すよりも遠慮なくできる
- 適性を知って未来の収入源を考える
- 歳とともに減る収入をどうするか
- 共働きや副業が気持ちに余裕をもたらす
- 比較表で見つける暮らしの最適解
- お金の使い方はメリット、デメリットを検討
- メリットの場合は支払う
- 大きな買い物の場合は比較検討の表を作成
理系夫さんの基本的な考え方 物事は俯瞰して、一度は疑う
理系夫さんは機械設計エンジニアなので、物事を俯瞰して見ることの大切さを片付けでも家計管理でも何度も出てきます。目先のことだけにとらわれて忘れてしまいがちな視点ですね。そして「どんなことでも一旦は『本当かな?』って疑問に思うことにしている」といいます。いろんな投資本を読んでみて「著者の懐が潤う仕掛けがしてあるのがポイントだね」って、そこまで読むか?ですが、確かに情報にあふれる昨今、投資詐欺などもどんどん巧妙化していますから、一度は疑うスタンスは大切ですよね。xやインスタでもいまやラインへの誘導や高額サロンへのお誘いが横行している今、本当に必要な視点だと思います。
この二冊に共通しているのは片付けも家計管理も「家族のためにみんなで一緒にやる」ことの大切さだと思いました。失敗しながら学んでいくこまきさんの頑張りと、ともすると世の旦那様の多くが奥さんに丸投げしてしまうことを、一緒にというより主導して伴走してくれる夫さんの姿勢は、家族の幸せについてもとてもいい手本を見せてくれるものと思います。この両親のおかげで、長女「パルリちゃん」はお金が大好きで、40歳までは家でお世話になりたいというライフプランを持つちゃっかり娘に育ちますが、彼女の将来はとても明るいだろうなと、読んでいるこちらも幸せな未来を想像してしまいます。
片付けについても家計管理についても、わかっているつもりでも改めてストーリー仕立てで読むことは、実感として身につくものだとおもいました。漫画なのでなおさらわかりやすいです。ぜひ興味のある方は読んでみてくださいね。途中にあるコラム形式の夫さんの考え方、本当にお勧めです。
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