- 書籍データ
- タイトル すべての瞬間が君だった
- 作者 ハ・テワン 訳 呉永雅
- 出版社 マガジンハウス
- 初版 2020年5月28日 第16刷 2021年4月23日
韓国ドラマで話題っていうだけで買っちゃった…
私韓国ドラマも好きなんですが、この本の帯に「キム秘書はいったい、なぜ」で話題と書いてあって…ついついそれだけで買いました(^^; そもそも「キム秘書はいったい、なぜ」が面白かったのを思い出したからなんですけどね。たしか、堅物の副会長が退職を言い出したキム秘書を引き留めるためのあの手この手する中にこの本が出てきたような?(見たのがちょっと前なので詳しくは思い出せないんですけどね)
心が癒されて、浄化されて、切なくもあって…
ということで…読んでみました。とても素敵な詩集でした。作者のハ・テワンさんは詩人で作家ということですが、SNSで大ブレイクしたようですね。恋愛のキラキラとした思いからやがて倦怠期、別れ、そして忘れられない記憶や後悔まで。時が移り行くごとに色を変えていく思いの中に、慰めや励ましの言葉がちりばめられています。おそらくはその人ごとに、読む時期ごとに、心に「刺さる」言葉は違ってくるんだろうな?と、そんな感想を持ちました。
今の私が受け取ったメッセージをいくつか引用しておきますね。
ぼくはきみに幸せでいてほしいし、あまり涙を流してほしくないし
適度にゆとりをもってほしいし、幸せな恋をしていてほしいし
これ以上つらい思いをしてほしくない
今までのすべての瞬間が、きみそのものだったってことを、絶対に忘れないでいてほしい
「すべての瞬間がきみそのものだったってことを」より
そうですね、今までの出来事何一つ欠けていても、今ここにいる「自分」ではなかったはずです。いいことも悪いことも全部ひっくるめての現在なんですもんね。でもできればこれからは幸せで…特に苦労してきた人にはそうあってほしいものです。
いつまで、まだ訪れていない先の心配をしながら、今日を生きるつもりなの。
今すぐ楽しいことをしなくちゃ。
「ときには心配事は忘れて思うままに生きよう」より
確かに、石橋をたたいているうちに年取ってしまいますよね。今しかできないことがたくさんあるんです。今日を楽しくが積み重なって、人生が楽しかったになると思います。まずは始めることが大切、何かにぶつかったらその時に路線変更すればいいだけの話なんですよね。心配のほとんどは起こらないといいますから。
きみがどんな姿をしていようと、いっさいの偏見をもたずに、接してくれる人を、絶対に逃しちゃいけない。
そういう人は、この先も変わることなくきみの味方になって、応援してくれる人だから。
「逃してはならない人」より
これもまた大切な考え方ですね。見た目とか、お金を持っていそうとかで寄ってきた人たちは、何かあればあっという間に離れていくものですから。偏見なしに見てくれる人こそ本当に大切にするべき相手だと、私も思います。
今はとても乗り越えられそうにないけれど、ぶつかってみて、痛みを知って、転んでみて
後で振り返ったら、軽々と1歩で乗り越えられるような、低い壁になっているはずだから。
負けないでください。
あなたは、もうすでに十分まぶしく輝いているのだから。
「試練という高い壁」より
チャレンジって最初は無理にしか見えないものですものね。無謀とさえいえることも、何度も何度もぶつかって、少しずつ自分が成長できれば、いつの間にか達人になってるかも? 転んでも転んでも立ち上がる人だけが、そこに届くのだと思います。私は今も何一つ届いていないですけどね。
安らかな気持ちにさせてくれる人と出会いたい。
ただ同じ空間に一緒にいるだけで、癒される人。
「安らかな気持ちにさせてくれる人」より
そういう人に私もなりたいものです。類は友を呼ぶといいますから、まずは自分が誰かを安らかな気持ちにできるといいですね。
あなたは、とても魅力的なのに、それを見せる方法を、よくわかっていないのです。
ほかの誰よりも、きれいで素敵な人であることは確かなのに。
だから、これからは、もう少し自信を持ってください。もう少し堂々としてもいいんです。自分で自分の価値を下げないでください。
自分のせいだと責めるより、自分を少しでも褒めてあげられる、そんな人になってほしいと心から願っています。
「あなたは、本当にきれいで素敵な人」より
人にはそれぞれ個性があって、いいところも悪いところも必ずあるものですからね。自分が自分を認めてあげられたら、周りにも優しくなれる気がします。
だから、愛しているという言葉とありがとうという言葉は、絶対に隠さずに口に出してください。
覚えておいてください。ときにはささやかなことが、一番大きな愛情表現になりえることを。
「ささやかな感動の重要性」より
言おうとして言いそびれた言葉…場合によっては二度と言えないこともありますよね。そしてそんな言葉はいつまでも後悔とともに心に重く沈むものです。相手に伝えてあれば…少なくとも後悔はしないものですよね。
なぜ、きみの人生の決定権を
きみじゃない、ほかの誰かの手にゆだねるの。
きみの人生はきみが決めなさい。
「人生の決定権」より
これもよく見る光景というか…とても大事なことを「どう思います?」と人に投げかけて、もし結果が悪ければその人のせいにしてしまうような。自分のことでさえ責任を転嫁してしまうような人、結構見かけます。まわりの敷いたレールじゃないと進めなくなってしまっていても、本人がいいというならそれでもいいんですけどね、私は自分が決めたことならたとえ間違えても失敗しても、後悔はしないような気がします。自分の決断自体には後悔するかもしれませんけどね。
大事なことは最後は自分が決める。これはとても大切なことだと思います。
今日何千回も転んだからといって、いいときなんて一生やってくるわけないと、自分を責めないでください。
転んでケガをしたとしても、その傷が癒えたら、なにもなかったように、また前に進めばいいんです。
「もう一度立ち上がることにしよう」より
転んだ時にその人の真価が問われる気がします。全く失敗なしに人生を全うできる人は限られていますからね。転んだ時、誰かのせいにして同じことを繰り返すのか、それとも自分でその原因を突き詰めて別の道を取るかで、その後の人生は大きく変わるものだと思います。
今回私が選んだ言葉は、どれも恋愛向けというより人生の応援のような言葉ばかりでしたね。還暦を過ぎて振り返ったからこんな言葉が並んでいるのかもしれません。もちろん若い人(私が若かったとしても)なら別の言葉を選んだかな?と思います。ほかの方の選ぶ言葉を見てみたいものですね。
読んでみて私が昔夢中で読んだ「銀色夏生」さんの作品をふと思い出しました。銀色夏生さんの作品よりもストレートな表現ですけどね。選び抜かれた言葉と、シンプルな中にある透明感…こんな感じの詩がすきだったな~と自分でも感慨がありましたよ。買ってよかった一冊です。そのうち銀色夏生さんについても書いてみたいですね。本は今も本棚にあるし…
原書(韓国語版)まで買っちゃいました
ところで私、ここでもついつい…ハングルの原書までゲットしてしまいました。こちらをさらっと見てみたら、日本語訳の本がとてもよくできていると感じました。特に外国の作品は翻訳一つで全くの別物ですからね。まずはちゃんと読んでみてから、あとでじっくり翻訳の勉強に使いたいと思います。いいテキストゲットしました。
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